要旨: 中国と日本を含む国々の人は幸運や幸福といった願いを含め、縁起のいいことを祈っている。「松竹梅」は代表的な縁起物である。松竹梅は中国人にも日本人にも愛されているため、中日の縁起観に類似点があると考えられる。先行研究によれば、中日の松竹梅について、その歴史や象徴意味の資料が多いと考えられる。しかし、類似点があれば、異なるところもある。その異同に関しては十分に解明されていない。本論では中日縁起観の特徴、共通点、相違点を述べながら、差異の原因を明らかにすることを目指す。結果、中国も日本も松竹梅の強靭さ、旺盛な生命力に敬い、長寿・子孫繁栄・希望の象徴として認める。ところが、門松という飾り物は日本にしか見られないようであり、数字観に関しての違いがある。また、中日長期の文化交流のため似ている縁起観が生じ、風土と自然観の違いによって異なるところが生じたということが明らかになった。中日の松竹梅の縁起面の意味の比較を通じて、中日の縁起観に対する理解を深めることに意義がある。中日の縁起観を深く理解することは、中日交流を深め、両国国民の相互関心度を高めることに大きな助けとなり、文化的差異の衝突を最小限にすることができる。

キーワード：縁起観；松竹梅；異同

目次

要旨

中文摘要

1.はじめに-1

1.1本論の研究背景-1

1.2先行研究と研究目的-1

2.中日の松竹梅の縁起面の意味-4

2.1中国の松竹梅-4

2.1.1 松-4

2.1.2 竹-4

2.1.3 梅-4

2.2日本の松竹梅-5

2.2.1 松-5

2.2.2 竹-5

2.2.3 梅-6

3.中日松竹梅から見る縁起観の異同-7

3.1中日縁起観の共通点-7

3.2中日縁起観の相違点-7

3.2.1松竹梅と門松-7

3.2.2数字観の違い-7

4.中日縁起観の異同が生ずる原因について-9

4.1中日縁起観の共通点が生ずる原因-9

4.2中日縁起観の相違点が生ずる原因-9

4.2.1中日両国の風土の違い-9

4.2.2中日自然観の違い-9

5.おわりに-11

参考文献-12