要旨: 本研究は河童という日本の有名な妖怪のイメージを研究対象に、文学作品と画集を通し、河童の善悪イメージ及びイメージ転換の理由を分析した。その結果、河童のイメージは人を食べ、人を害する邪悪な妖怪から、恩返しをし、人を助ける善良で可愛い妖怪への変化が読み取れた。このような河童の善悪イメージ転換に 3 つの原因が考えられる。第一に、社会経済の発展に伴い、生産力が向上し、人類の自然災害への対応能力が大幅に向上した。そのため、水中の化け物である河童に対する人間の恐怖心が弱まった。第二に、近現代の作家や画家の多くは河童を自分の代弁者と位置づけ、自分の感情や思想を河童というイメージを通じて世間に伝えてきたためである。第三に、河童は近現代日本における地域宣伝のイメージ大使として、地域の知名度を高め、地域振興を促進する働きをしてきたためである。

キーワード:河童;善悪イメージ;文学作品;画集

目次

要旨

中文摘要

1.はじめに-1

1.1先行研究-1

1.2研究方法-1

2.河童の善悪イメージの転換-2

2.1文学作品に現れた河童のイメージ-2

2.1.1悪のイメージ-2

2.1.2善のイメージ-3

2.2画集に現れたイメージ-4

2.2.1悪のイメージ-4

2.2.2善のイメージ-5

3.河童の善悪イメージの転換及び原因-7

4.終わりに-9

参考文献-10