要旨: 1980 年代以来、日本における化粧の形がますます多様化、個性化してきている。流行の中心は女子大生、女子高生へ次第にシフトし、「ギャルメイク」といった奇抜な化粧や、「オルチャンメイク」

「チャイボーグメイク」といった新たな化粧も一時的に流行した。また、化粧は文化的な行動といえる。化粧の流行にはその人が生きる社会や時代の風潮が現されていると同時に、化粧の在り方も化粧行為の動機も、社会や時代の変化によって大きく変化している。そのため、化粧の多様性について、時間的経緯の中での環境との相互作用に焦点をあてて分析することが必要なのである。本稿では、『小悪魔 ageha』『Seventeen』『ViVi』といったファッション誌を利用し、また日本人の化粧行動に関するさまざまな先行研究を参考して、日本人女性の基本的な化粧行動を分析したうえ、80 年代以来日本における日本・韓国・中国メイクそれぞれの流行過程、メイクの特徴の推移、または過去の化粧文化とそれに伴う日本社会の変化に関する分析を行った。分析の結果、日本人の伝統的美意識と社会状況が明らかになった。また、各時期の日本人女性の意識や価値観の変化もまとめてみた。

キーワード:化粧行動;日本メイク;韓国メイク;中国メイク;女性の価値観

目次

要旨

中文摘要

1.  はじめに-1

2.「化粧」とは何か-3

2.1「化粧」の定義-3

2.2「化粧」の動機と効果-3

2.3日本人女性の化粧行為-4

3.80 年代以来日本におけるメイクの変化-5

3.1メイクの多様化-5

3.2ギャル文化-5

3.2.1ギャル文化の歴史-5

3.2.2ギャルメイクの特徴-6

3.2.3ギャルメイクから見る女性の価値観-7

3.3オルチャンメイク-8

3.3.1オルチャンメイクの変容-8

3.3.2オルチャンメイクの特徴-10

3.3.3オルチャンメイクから見る女性の価値観-11

3.4中国メイク-12

3.4.1中国メイクの流行-12

3.4.2中国メイクの特徴-13

3.4.3中国メイクから見る女性の価値観-14

4.おわりに-16

参考文献-17