要旨:『白夜行』は東野圭吾の代表作として、広く世間に知れ渡っている。絶望しても、守らなければならない愛と緻密な推理の冷静さと完璧に結び合わせて、それは出版されてから、一度に大勢の人を驚かせるようになった。『白夜行』は様々な社会領域に関わっているので、横行するマフィア・氾濫する売春・ハイテクノロジー犯罪といった鋭い社会問題を読者に深く反省させる。とくに沈思を誘うのはこの小説に反映した人間性である。したがって、人間性の追求は本論のテーマにしたのである。これも本論のきっかけと目的である。

中国では、『白夜行』についての関係研究は主に女性像を中心に行われているものであるが、日本では、1999年に『白夜行』を発表してから、東野圭吾は社会派作家として評価されるようになり、社会派推理小説を発表し続けていく。しかし、入手した参考文献を読むと、東野圭吾の小説における人間性を研究する学者が少ないようである。本論の人間性とは人間の本性ということである。この本性は社会や家庭などの要素によって生まれた変化と緊密な繋がりがあるので、探求に値すると思う。本論はテクスト分析に基づき、帰納、分析、総括という方法を使い、『白夜行』に対する分析を通じて、東野圭吾の推理小説、特にその人間性への理解をより一層深めることができれば、意義があると考えている。

本論は三章からできている。第一章では東野圭吾の生い立ち、『白夜行』のあらすじと位置づけを簡単に紹介した。第二章では良さと悪さの両立、女性の犯罪から見た人間性、現実への反抗という三つの部分によって、主な登場人物の人間性を分析し、人間が単なる悪人か善人ではないと指摘した。第三章は主観と客観という二つの面から、『白夜行』の人間性の成因を分析して、地位と金銭への虚栄心と感情の欲望と社会問題が主な原因であると思う。

本論は『白夜行』の人間性の分析を通じて、東野圭吾のファンに解読の視点を提供して、国内の関係研究に多少役立てばいいと思う。

キーワード：東野圭吾  『白夜行』  人間性  日本社会

目次

要旨

中文摘要

はじめに-1

第一章-東野圭吾と『白夜行』との紹介-4

1.1東野圭吾の生い立ち-4

1.2『白夜行』の粗筋とその位置づけ-5

1.2.1『白夜行』の粗筋-5

1.2.2『白夜行』の位置づけ-7

第二章　　登場人物の人間性の現れ-8

2.1良さと悪さの両立-8

2.2女性の犯罪から見た人間性-10

2.3現実への反抗-12

第三章　『白夜行』の人間性の成因-14

3.1内在的な原因-14

3.1.1地位と金銭への虚栄心-14

3.1.2感情の原因-15

3.2外在的な原因-16

3.2.1日本の社会背景-16

3.2.2日本の社会問題-17

おわりに-20

謝  辞-22

参考文献-23