要旨: 島崎藤村は日本の有名な作家である。彼の作品は明治、昭和、大正の三時期を越えて、日本近代の文学史上で重要な位置を占めている。『破戒』は藤村の第一部長編小説として、中には教育事業に熱中する瀬川丑松という青年教師がとても良く描かれている。主人公は明治後の新平民で、社会の差別を免れるため、自分の出身を隠した。その後で平等思想の影響を受けて、身分を公開したが、結局教員を務めることはできなくなってしまった。作品は野蛮な封建の身分制度を暴いたので、読者に広くほめられていた。この作品の成功をきっかけに、藤村は自然主義の代表作家として地位が確立されたという。本文は作者の経歴や時代背景の研究を通じて、『破戒』の由来と明治時期の人種差別問題を分析し、よって日本社会に対する影響を探究しようとしている。

本文は三つの章節に分けられている。第一章では島崎藤村の経歴を紹介し、これによって『破戒』への影響を分析している。第二章では歴史、政治、文化の三方面から『破戒』が作られた背景及び生活上や職場上の差別問題を探究している。第三章では『破戒』の地位と影響を検討したうえで、日本社会更に世界文化に対する影響を探究しようとしている。今回の論述を通じて、『破戒』から見ると明治時期の部落民の差別問題の厳しさが分かった。当時の部落民は基本的な人権が侵害され、社会地位も低い。この問題の重大性を見極めることが必要だと感じられる。その一方、筆者は『破戒』も人種差別の改善に積極的な役割を果たしていると考えられる。

キーワード：破戒　島崎藤村　明治時期　人種差別

目次

要旨

中文摘要

はじめに1

1島崎藤村と『破戒』1

1.1島崎藤村1

1.2島崎藤村の『破戒』2

2『破戒』の中で反映する人種差別3

2.1生活上の差別3

2.1.1等級制度と部落民差別問題4

2.2職場上の差別5

 2.2.1根強い封建意識と改革の不徹底性5

3『破戒』の影響6

おわりに8

参考文献9

謝辞 10