要旨: 岩井俊二は当代日本に有名な映画監督である。独特な映像風格は「岩井美学」と呼ばれる。1996年に公開された『ピクニック』と『スワロウテイル』は独特な視角で、当時に注目を集めていた。二部の映画はともに迷う時期の若者が人生のため、もがくことを描いた。本論はこの二部の映画を通じて、岩井俊二の青春映画における悲観主義を研究してみる。

　本論は四つの部分からなっている。第一部分は作者と作品の紹介である。『ピクニック』は三人の若い精神病患者は救われたために、世界の終わりを見に行くことを描いた。『スワロウテイル』はある少女の視点から外来者の下積み生活を展示した。第二と第三部分は映画の主な人物と物の映像を分析してみた。彼らの苦しい経歴、人生の虚しい精神状態と残酷な現実を通じて、主人公の精神世界の追求と現実世界はどのような矛盾があるか、さらに悲劇性の結局を起こす原因を分析した。第四部分は岩井俊二の悲観主義の形成する原因と内容を研究した。創作の社会背景と個人の経歴を探究し、第二と第三部分の分析と結び、岩井俊二の悲観主義の内容をまとめてみた。

　本論の研究を通じて、岩井俊二は悲観主義の意識を持ちながら、徹底的な悲観主義者でもないということがわかる。彼の作品は人間の心理を重視し、人間の最も本質的なものを表現する。その悲観主義は日本社会に対する心配から生まれたものである。作品の中で主人公が救いを求め、死を迎えるなどの仕方を通じて、欲望、さらに異常になる道徳で自分の意志を失う社会を警醒する。悲劇色彩があふれた作品を通じて、精神世界で永遠な愛に憧れている。

　キーワード：岩井俊二、悲観主義、精神世界、現実、意志

目次

要旨

中文摘要

はじめに-１

1作者と作品-１

1.1作者の紹介-２

1.2作品の紹介-２

2『ピクニック』における悲観主義-3

2.1人間像について-3

2.2物の映像について-4

2.3悲観主義の表現-５

3『スワロウテイル』における悲観主義-5

3.1人間像について-5

3.2物の映像について-6

3.3悲観主義の表現-７

4岩井俊二の悲観主義について-7

4.1岩井俊二の悲観主義-7

4.2社会的原因-8

4.3個人経歴-8

おわりに-9

参考文献-10

謝　辞-11