要旨:  樋口一葉は19世紀末期日本明治時代の女流作家であり、日本近代批判現実主義文化の前期開拓者の一人である。わずか四年の時間で、樋口一葉は文壇から絶賛される作品をたくさん残した。彼女の代表作品は『たけくらべ』、『にごりえ』、『十三夜』などがある。独特な視角、現実の題材、感情を込めた書き方などは明治文壇に新たな血液を注ぐ。彼女が書いた小説の主人公は大抵女性である。彼女の小説は明治時代日本女性の生活及び彼女たちの追求、憧れ、悩み及び哀愁を描いている。樋口一葉の作品を研究することにより、間接的に明治女性たちの生活を体験し、彼女たちが社会に対する考え及び思考を理解することができると思われる。

『たけくらべ』、『にごりえ』及び『十三夜』、この三つの代表作品はストーリーの構造上において、持続性と一貫性がある。『たけくらべ』は美登利の純粋な少女時代を描き、『にごりえ』はお力が社会に出てからきびしく耐えがたい日々を送り、恋愛を始めるが最後は実りのない結末で終わることを描いている。『十三夜』はお関が妻、母になってからの悩みを描いている。この三つの作品は全部樋口一葉の後期代表作品である。

本稿は美登利、お力、お関の3人のヒロインを研究対象にし、3人の人物の性格、運命及び結末を具体的に分析し、そして心の中の哀愁、周囲の生活環境からの圧迫及び悲劇の結末という共通点を総括する。さらに、社会側及び個人側から人物の悲劇的な運命の原因について詳しく検討してみたいと思う。

キーワード：樋口一葉  女性像  共通点  悲劇運命  原因

目次

要旨

中文摘要

はじめに1

1.樋口一葉とその作品1

1.1樋口一葉について1

1.2作品について2

2.三つの作品の中に代表する女性像3

2.1純真な少女ー美登利3

2.2未婚女性ーお力3

2.3人妻ーお関4

3.人物の共通点から見る運命の悲劇性5

3.1心の中の哀愁5

3.2生活環境の圧迫5

3.3悲劇的な結末6

4.悲劇的な運命の原因6

4.1社会側6

4.2個人側7

おわりに7

参考文献9

謝辞10