要旨:『八日目の蟬』は角田光代という日本作家の代表作である。第2回中央公論文芸賞を受賞した。出版されてから、テレビドラマ化や映画化された。日本国民からも多大な好評を博した。

『八日目の蟬』は母性をテーマとした作品であって、その中に特別な母の愛が書かされた。本論文は作品における女性像を分析し、その女性像の異同と女性たちの運命について、詳しく検討する。

小説の中に登場する女性像は異なる人生を持っているがみんな惨めな生活をしているという共通点がある。彼女たちは偏狭で頑固かつ軟弱な人である。社会と家庭への疑いや不満などのゆえに、社会共同体から離脱した人になる。本論文は性格の悲劇性と社会的な悲劇性の２つの部分を通して、これらの女性像の悲劇性を分析する。この２つの悲劇性はお互いに交替し、人物の運命を合わせる。他方では、彼女たちは混乱した生活に面したが、積極的に解決策を探した。最終的に、生きる道を探した。本論文はエンジェルホームに代表される「慈善」と小豆島に代表される「労働」を分析して、彼女たちの闘争精神と自立意識を検討する。

小説の中に「蟬」というイメージが何度も現れる。蟬は何年も土中にいるのに地上に出てきたら七日で死んでしまう。しかし、八日目の蟬は、他の蟬には見られないものを見られる。作者は「八日目の蟬」というイメージを通して、生まれ変わりを指す。どんな惨めな人生を持っても、愛と希望を持って、頑張って生きていけば、八日目の蟬のようにまた新しい景色を楽しむことができると主張している。

キーワード：八日目の蟬　女性像　母の愛　悲劇　生まれ変わり

目次

要旨

中文摘要

はじめに1

1、『八日目の蝉』について 1

1.1、作者について1

1.2、あらすじ2

2、『八日目の蝉』に登場する女性像‥3

2.1、道徳に反する女性像――野々宮希和子3

　2.2、母性を探す女性像――秋山恵理菜（薫）4

　2.3、母性に失う女性像――秋山恵津子5

　2.4、子供離れの女性像――沢田久美6

3、人物の運命から見た悲劇性6

3.1、性格の悲劇　6

3.2、社会的な悲劇　7

4、悲劇的運命から見た女性の自立意識8

4.1、エンジェルホーム――女性のユートピア8

　4.2、小豆島――運命への抵抗9

おわりに9

参考文献 11

謝辞 12