要旨: 松本清張は大器晩成の有名な推理小説作家で、1957年に『旅』月刊で連載した推理小説『点と線』は「社会派推理小説」という新しい流派の誕生を宣告し、「社会派」の小説作風の形成に基礎を打ち立てた。『点と線』は罪や陰謀の陳述に対して力を入れるだけではなく、全面的に人の心理更には社会の状態をすべて現してきた。彼の初志はただ日本社会の悪運と人間性の弱い面を表そうと思われる。松本氏の作品は日本の伝統的な推理小説の事柄を叙述する作風を捨て、社会の問題を暴き出した。「社会派」の推理小説の領域を開拓し、みごとに推理小説の文学性を高めた。松本氏の「社会派推理小説」は、社会中に発生した残酷な事件を、推理小説の中に書き込み、読者に自分で事件の出原と源を推測させる。それによって社会の病的状態と醜い面を理解させる。松本氏の小説には完璧な犯罪がなく、事件の暴露はすべて偶然性があり、しかし、ある必然的なものが繋がっている。事件を解決するのは天才みたいにぴんと頭に出てくるアイデアのおかげではなく、人間普通の感情に対する深い体験と真実を突き止める執着こそ、キーワードだと思われる。警察がじっと坐っており、頭を叩くと考え出したのではなく、手がかりに従って一歩ずつ分析し探すこそ、それで真実を判明するのである。

本稿の第一部分は、松本清張の生涯及びその小説を紹介する。第二部分は主に、松本清張の作品の『点と線』を紹介する。第三部分は、『点と線』についての分析を通して、松本清張の小説の特徴及びその影響を研究する。松本清張の小説に対する研究を通して、あの時期の日本社会をもっと良く認識できる。

キーワード：松本清張  推理小説  点と線  社会派

目次

要旨

中文摘要

はじめに-1

1  松本清張の生涯と小説-1

1.1  作家としての松本清張-1

1.2  松本清張の小説について-2

2  『点と線』について-3

2.1  『点と線』作品概要-3

2.2  『点と線』に対する評価-4

3  『点と線』から見た松本清張の推理小説の特徴-4

3.1  『点と線』の特徴-4

3.2   松本清張推理小説の特徴及び影響-5

3.2.1  社会派の推理小説-5

3.2.2  松本清張の推理小説の特徴-6

3.2.3  松本清張の社会派の推理小説の影響-6

終わりに-6

参考文献：-8

謝辞-9