要旨:『羅生門』は日本著名的な小説家芥川龍之介の代表作である。これによって、芥川の短編小説作家としての資質や可能性が良く現れた。この小説は平安時代の物語集『今昔物語』から材料を取り、斬新な手法と洗練された言語使い、巧妙な発想で、人間性の複雑で多変さを遺憾なく発揮した。乱世に生きる一人の雇い主に解雇された下人と老婆人の対話を通じて、人間性について哲学的に思考を繰り広げ、生存の角度から人間性の本当の姿を顕にし、人類がエゴイズム的な考えの下で展開された内心の暗らみ及び陰湿な部分が表現された、それによって社会の中に存在されている各種の醜い現象を深刻に批判したわけだった。

芥川龍之介は日本大正時代の小説家である。彼は幼少期から日本と中国の古典文学の薫陶を受け、深い漢文学の修養をもち、日本「新思潮派」文学の代表的作家である。短い一生の中で多くの作品が残された。芥川の小説の多くは歴史を題材にし、現代的な注釈を添えた。主に歴史的物語や伝説への描写で、現実的な人生を反映したのである。寓意を含んだ歴史事件を通じ、作者の主観的な思想が表現された；深く突っ込んだ入念な描写によって人間性の醜さを暴き出されたのである。しかし彼が直接評論することは殆んどない、冷やかに簡潔かつ力強い言語で陳述することで、読者に人間性の利己的である、深いテーマを読み取らせていた。それこそ作者が社会、人生及び芸術に対する追求であった。

本論文は芥川龍之介の短編小説『羅生門』を材料にし、小説の中の人物から着手し、作者個人の成長と彼その生きた時代背景と結び付け、作品の中で表現しようとした人間性についてを研究していく。

キーワード：『羅生門』  芥川龍之介  人間性  善悪　エゴイズム

目次

要旨

中文摘要

はじめに1

1、『羅生門』からスタートされた作家・芥川龍之介1

1.1、第一次世界大戦と新思潮2

1.2、作家と『羅生門』について2

2、『羅生門』に登場された人物の人間性‥3

2.1、下人として正義感と本能‥4

  2.1.1、運命の不確定と人間性の善悪‥4

  2.1.2、作家の人間性に対する思考5

2.2、老婆という人物のエゴイズム‥6

 2.2.1、死人の髪を抜ぐシーンから見る老婆という人物6

 2.2.2、人間の悪を引き出す死者の存在について7

3、『羅生門』におけると人間性の考え8

3.1、利己的な人間性を中心とする人物達8

3.2、『羅生門』における人間性の醜さ9

おわりに10

参考文献11

謝辞 12