要旨

天武天皇時代から明治時代までの1200年間、政治家は全国国民に対して何度も肉食禁止令を出した。仏教の発展が文化や思想などとは関係があると考えられている。肉食禁止も、仏教に影響されたと思われたが、実は、政治の面の要因が主な原因だと言える。なぜかというと、他の国のものを吸収し、自国で発展させるなら、自国（あるいは自分の政治）に良い影響があるかどうかは、政治家が最初的に考えることだからである。本論文は、別の論説と違い、政治家が仏教を唱導することと政治の需要を結びつけ、仏教の肉食禁止と政治の肉食禁止の関係を明らかに分析する。先行研究を踏まえて史実に基づき、肉食禁止令が発布された時期前後の歴史を参照し、政治的要因を切り口に肉食禁止令が出される原因を探し、中村と原田の論点の根拠不足を補おうとする。

この研究を通して、日本での肉食禁止における歴史と律令の原因を検討し、日本という国の真の姿を確認し、この国の政治や文化をより深く理解しようとする。

キーワード：　肉食禁止令；　仏教；　政治；　社会文化

目次

要旨

中文摘要

1. はじめに-1

　　1.1問題提起と本論文の立場-1

1.2研究方法-1

2．肉食禁止令

2.1 肉食禁止令とは-2

2.2肉食禁止の原因における先行研究-3

2.2.1 徐静波の仏教思想の要因-3

2.2.2 中村生雄と原田信男の政治的要因-3

3. 仏教の肉食禁止と政治の肉食禁止の関係-4

3.1 仏教の発展と政治の関係-4

3.2 仏教の肉食禁止と政治の肉食禁止の関係-4

4. 政権の交替や国家の混乱と肉食禁止令の関係-5

4.1 天武天皇の「肉食禁止令」や「放生令」とそれらの影響-5

4.2聖武天皇の「殺生禁止令」や「牛馬の屠殺禁止令」とそれらの影響-6

4.3北条政子の「狩猟禁止令」とそれらの影響-7

4.4徳川綱吉の「生類憐れみ」とそれらの影響-8

5. おわりに-9

参考文献-10