要旨: 屠蘇酒は中国古代から伝わった 1 年間の邪気を払い健康や長寿を願って正月に飲む薬酒である。日本は中国の近くに位置し、両国は古代から交流してきた。それが故、酒文化にはいろいろな共通点を持っており、日本でも中国でも正月に屠蘇酒を飲むという風習がある。しかし、国の違いにより、最初は同じものであるが、その後時代の変遷とともに変化が生じつつある。中国における屠蘇酒の風習は、明清時代から衰運に向かったと言われている。一方、日本では現在でも屠蘇酒は正月の行事として行われており、そして屠蘇酒に関する屠蘇道具も使われている。日本における屠蘇酒の飲用風習の考察を通して中国の伝統文化を再認識し、国民に伝統文化を重視させ、継承・発展させていくことが必要であると思われる。そのため、本研究では、正月に薬酒として飲用される屠蘇酒を研究対象として、その起源と変遷を考察することで、屠蘇酒が中国から日本への導入過程を明らかにする。また、日本における屠蘇酒の飲用風習に関する考察を行い、屠蘇器などの道具の使い道を紹介する。さらに、屠蘇酒についての考察を通して、日本の飲酒文化を検討する。

キーワード:-正月;-屠蘇酒;-日本;-飲酒文化

目次

要旨

中文摘要

1はじめに-1

2先行研究と問題点-2

2.1先行研究-2

2.2先行研究の問題点-3

3屠蘇酒の起源と変遷-4

3.1屠蘇酒とは-4

3.1.1屠蘇酒の中身-4

3.1.2屠蘇酒の語源-4

3.2屠蘇酒の起源-4

3.3中国から日本への導入-5

4屠蘇酒の飲用風習から見る日本の飲酒文化-6

4.1日本における屠蘇酒の飲用風習-6

4.1.1屠蘇器-6

4.1.2屠蘇酒の飲み方-6

4.2屠蘇酒から見る日本の飲酒文化-7

4.2.1飲酒の礼儀-7

4.2.2独特な酒器の派生-7

4.2.3季節を愛でる飲酒習慣-7

5おわりに-8

参考文献